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絵本2024.02.21

膨大な数の絵本の中からどれを選べばいいのかわからない!!

絵本のコラム第4回目のテーマは、こちら!
 
お悩み:「膨大な数の絵本の中からどれを選べばいいのかわからない!!」
 
・・・これ、絵本の読み聞かせで、ダントツ1位のお悩みではないでしょうか?
絵本を読み聞かせしてあげたいという気持ちはあるものの、本屋さんに行っても、ずらっと並んだ絵本の中から、一体どれを選べばいいのか、途方にくれる…どうせ読むなら、ずっと楽しめるよい絵本を選びたい、という保護者の方、多いのではないでしょうか。
 
まず、やはりお子さんの年齢は一つの目安なのですが、あくまで目安でしかありません。好みや興味・関心、その子の中にあることばの数や、経験の多い・少ない、読む回数や環境で、同じ月齢、年齢のお子さんでも、楽しむ絵本は人それぞれ全然違います。
 
それでも、なにか座標のようなものがあれば、それを参考に、ご家庭それぞれでアレンジできますよね。今回は、その座標の一つをお伝えします。
 
まず、大前提として、あくまで座標の一つである、ということです。選ぶ基準はこれが絶対、ではないですし、保護者さんやお子さんのお好みもあると思いますので、参考程度にとらえてください。
 
まず「出版社に注目して選ぶ」ということです。
絵本の出版社には、様々な出版社がありますが、戦後日本の絵本の出版の歴史の中で、「福音館書店」の存在は大変大きく、現在もそれは変わりません。
子どものこと、子どもの未来には一体なにが必要なのか、を問い、作家と編集者が時間をかけて1作1作を作り上げていくスタイルの出版社です。ドカンと大うけしてバズる、面白おかしい、お笑い的、キャラクター的要素はあまりなく、地味な印象かもしれませんが、子どもたちの無意識の感性に響く、ロングセラーを数多く輩出しています。
『ぐりとぐら』『おつきさまこんばんは』『くだもの』『ねないこだれだ』『きんぎょがにげた』『おおきなかぶ』『三びきのやぎのがらがらどん』『しょうぼうじどうしゃじぷた』…みなさんもご存じの作品があるのではないでしょうか?
 
出版社も企業ですから、もちろん売り上げは大切です。が、子どものことを第一に考えて出版する信頼のおける出版社です。この福音館書店は、絵本をだいたいの年齢別にシリーズで出しています。
 
0歳、1歳、2歳ごろ~ 「0.1.2えほん」
(『ごぶごぶごぼごぼ』ボードブック 角丸)
1歳、2歳ごろ~ 『いないいないばあ』の判型
2歳、3歳ごろ~ 「幼児絵本」シリーズ
(『くだもの』の判型)
3歳、4歳ごろ~ 「こどものとも絵本」シリーズ 横長版)
3歳、4歳、5歳ごろ~「こどものとも絵本」シリーズ 縦長版)(『ぞうくんのさんぽ』の判型 (縦長))
4歳、5歳、6歳ごろ~「世界の傑作絵本」
5歳、6歳ごろ~『エルマーのぼうけん』など幼年童話
 
また、裏表紙に「よんであげるなら〇さいから」「ひとりでよむなら〇さいから」と目安が書かれています。
あくまで目安であることを意識しながら、保護者の方が、気になるタイトルと、気になる表紙のものを選んで、一度読んでみてください。
 
何冊か読んでみると、「この年齢が対象の絵本は、これくらいの文章量や絵や、物語の展開なのか。」とだいたいの傾向がわかってくるようになります。ほかの出版社の絵本を見る時も、この福音館書店の対象年齢のシリーズの絵本を指標にすると、「これはだいたい何歳くらいが楽しめそう」と判断することができます。
ここで、この「対象年齢」は、「この年齢の子が“理解”しなければならない」ということではない、ことを強調したいと思います。絵本選びは、あくまで目の前のお子さんから始まるものであって、絵本にお子さんを合わせようとするのは本末転倒です。「この絵本には、4歳対象とあるのに、わが子はなぜ楽しめないのか。なぜ理解できないのか。」と悩むのは、全く意味がないことです。まず、その子が楽しんでいるかどうか、「理解している」かどうか、を判断するのは不可能です。なぜなら、人の心は見えないから。おそらく、子ども本人だってわかりません。楽しい気持ちか、楽しくないか、読んでほしいか、読んでほしくないか。判断材料はそれだけです。
 
そして絵本を選ぶときに、大切なことは、「子どもが好きそうかどうか」と同じくらい「読む保護者の方ご自身が好きかどうか」を感じていただきたい、ということです。
「子どもが好きそう」だけで選ぶと、いざ、読んでみて、期待した反応ではなかった場合、がっかり。ということが往々にしてあります。
この場合、
見た目の反応はわかりにくいが、子ども自身は心の中でとても楽しんでいる (だいたいがこれです。そして、先ほども申しましたように、見た目でそれを判断するのは不可能です)
「期待する反応」はあくまでこちら側の「期待」であって、楽しみ方、受け止め方は、わが子であろうとも、人それぞれだと割り切ることが大切。そして、「好きではない」という経験をすることも、その子にとってはものすごく重要。今回はその貴重な経験を手渡せた。と考える。
 
 
 
また、先ほども申し上げましたように、絵本を広げたその「瞬間」の、「目に見える反応だけ」で、全てを判断するのは、とてももったいないことです。
 
絵本の読み聞かせは、特別な才能や、センス、念入りな練習や技術などが一切要りません。
 
それなのに、「ことば」だけではなく、感性、美意識、さまざまな価値観、物の見方、想像力、推測する力、応用力、人とのつながり方など、目に見えない「心の豊かさ」をプレゼントすることができる、大変便利なツールです。
 
確実に子育ての幅が広がりますので、ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください。絵本の選び方、については、またほかにもお伝えしていきたいと思います。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました!
 

 

~おススメ絵本~<br>
  『くだもの』平山和子 福音館書店<br>
「さあどうぞ。」に込められた愛情の深さを、絵とともに感じることができる絵本です。作者の平山さんは、その果物が一年の中で一番美味しい瞬間を描くために、果物それぞれの旬を待って、スケッチされたそうです。<br>
 0歳~おとなまで

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「さあどうぞ。」に込められた愛情の深さを、絵とともに感じることができる絵本です。作者の平山さんは、その果物が一年の中で一番美味しい瞬間を描くために、果物それぞれの旬を待って、スケッチされたそうです。
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