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絵本2024.06.17

“のりもの”の絵本しか読まない…大丈夫?

絵本のコラム第5回のテーマはこちら。
お悩み:「のりもの」の本にしか興味を示してくれません。
 
お子さんによって、「のりもの」の部分が「恐竜」や「妖怪」、「プリンセス」など、ほかのテーマが入るかもしれません。
 親としては、もっといろんなことに興味を持ってほしい、または、物語性のある絵本を楽しんでほしくて、「またそれ?」「もっと違うのにしたら?」と、思わず言いたくなりますよね。
 
 さて。では、「いろんなこと」って、具体的には一体なんでしょう?
…科学?天文?動物?人の気持ち?文学?英語?数学?アート? 
考えてみれば、世の中には無限にテーマがあって、「全てのテーマ」に興味を持つことは不可能です。そして、かくいう、私たち大人は、「世の中の“いろんな”テーマに積極的に」興味を持って、日頃から掘り下げて考えているでしょうか? 大人でも限界と偏りがあるのではないでしょうか。
 
「大好きなもの」「大好きなキャラクター」「大好きな人」、とにかく、大好きな○○がある、ということは、とても大切なことです。そして、それを尊重する、ということは、「その子自身」を尊重していることにほかなりません。
好きなことに夢中になっている時、人は、幸福感を味わいながら、意識がそこに集中した状態で、もっと、知りたい、もっと楽しみたい、と感じています。
「集中力」は、“鍛えるもの”ではなくて、夢中になっているときに「高まる」ものです。
そして、心が十分満たされた時、次の興味へと移行していくのです。この経験が多ければ多いほど、より深く、より広く、興味が広がっていくので、さらに、知識と経験が豊かになっていくのです。
 
つまり、「好き」を追求することが、結果的に、そのほかの「いろんなことに」興味を持ち、好奇心と探求心が養われていくことに、つながるのです。
そして、なにかに夢中になって、何度も集中力が「高まった」経験をしている人が、「集中力のある人」です。
 
ですから、お子さんがひとつのテーマのことばっかり。それしか興味を示さない、というのは、実はその子自身が、自分の「好き」、つまり、「軸」をしっかり持っている、ということですね。
 
 では、「うちの子は、特別好きなものがない…」という場合は、ダメなのか、というと、そうではありません。そもそも、子どもの心の中にある「○○が好き」という感情を、周囲の人が100%把握することは不可能です。「なにが好きなの?」と聞いたところで、子どもたち自身がそれを意識していないことがほとんどですので、正確にそれを言葉として表すのは、とても難しいことです。
 
つまり、私たち大人が気付いていないだけで、その子の中には、すでに、好きなもの、興味のあるものはちゃんと存在していますし、外から見てわかるほどに「好き度合」が強くなるタイミングが、たまたま「今」ではないのかもしれません。そして、その内容だって、きっと、次々と変わっている可能性があります。
 
私たち大人は、目の前のその子の「好き」がなんなのか、をなるべく感じとって、尊重し、大切にすることが、「その子の存在そのもの」を尊重することになるのではないでしょうか。
 
…ちなみに、この〇〇が、テーマではなく「ネット動画」や「ゲーム」の場合、それは「好き」なのではなく「脳の条件反射」です。もし、「ネット動画やゲームにしか興味を示さない」「とにかくずっとネット動画を見ている」という場合は、やはり、視聴時間を徐々にでも、減らしていくことをおすすめします。
 
 「すきなことに熱中、没頭すること」と「条件反射でそこから逃れられない」のとでは、脳の使う部分が全然違います。ゲームや動画を全くゼロにするのは難しいと思いますので、約束ごとをお子さんと一緒に決めて、それをきちんと守る、などの工夫ができればいいですね。
 
このテーマはまた別の機会に・・・
 
今回も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました!
 
今月のおすすめ絵本 <br>
<br>
 『すきがいっぱい』マーガレット・ワイズ・ブラウン さく<br>
 ガース・ウィリアムズ え 木坂涼 やく フレーベル館<br>
<br>
好きなもの、好きなことがいっぱいある!ということは、幸せがいっぱいある!ということで、それは大人にとっても同じこと。「好き」を大切にしたいですね。

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 『すきがいっぱい』マーガレット・ワイズ・ブラウン さく
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